事務所紹介-36  『㈱小沢設計』

小沢 慎一郎

 生まれ育ったこの地、長潟は旧石山村の一部で鳥屋野潟の南西部2Kmに位置し、昭和23年に竣工した紫竹山排水機場が完成するまで、見渡す限りの腰までつかる水田地帯でした。幸いそれから耕地整理事業が始まり現在のような乾田となり、耕運機などの農作業機械で田植えや稲刈りが出来るような亀田郷平野となっています。
 古町、沼垂に買物や遊びに行く時も病気で医者に行くときも、船で乗り継ぎながらの厳しい環境のもと、大きくなって中学.高校と通学のころにはバスが使えましたが片道2時間の行程と大変なおもいをしたものです。こんな環境の村や町を少しでも変えられたら、近くに病院や学校、百貨店、魚屋(当時自転車で1カ月に1回程度の行商)が有ったらと子供ながらに思ったことです。幸い大学にも行かせてもらい、ようやく地域に貢献できるかと思いのさなか紛争の真っただ中にはまり込み、講義をうけたのは2年半でした、が何とか卒業、就職と順調では有りませんでしたが現在の事務所を開設し33年が経過しました。
 都市計画(怪しい専攻)を専攻し設計事務所に入ったのですが、明けても暮れてもタイル書きと、これでは帰る事が出来ないかと思い構造設計を無理やり上司にお願いし、何とか設計書をまとめる仕事が出来るようになり、現在の事務所でせっせと仕事をこなしています。
 事務所を開設してから構造だけではなく、建築意匠も手掛けていますが構造中心となることが多く、最近は地震災害が多発し、安心安全な建物の要求が求められ耐震診断、耐震補強業務も重なり多忙な日々が続いています。
 事務所はビックスワン、野球場に近く、すこしは町らしくなってきました。2階建ての1階に事務室と茶室、2階に設計室を配置しています。茶室は設計をやるからには御茶くらいはマスタ-しておかなければと10年あまり習い、その関連で茶室を造り日々稽古にと思って作ったのですが、いまや物置と化しています、これを機に少しでも鍛錬を!
 設計業務はこれからが本番、真価が問われる時世となる事と思います、組合員の皆様とともに、市民に愛される安心.安全な建物づくりに、日々努力を重ねてまいります、今後ともよろしくお願いします。