更新日 2019-06-24 | 作成日 2019-06-20

作品紹介-47 「新潟市立木戸小学校

㈱堤建築設計事務所


■ 設計趣旨
  木戸小学校の校舎は築後39~46年経過しており、老朽化が著しく耐震性も確保されていないことか
 ら、校舎の一部改築と耐震補強を伴う大規模な改修を行う事により、教育環境の充実、災害時の避難
 場所としての機能の改善及び地域に開かれた施設を目指し、設計を行いました。

■ 計画概要
  新校舎の位置は既存校舎とほぼ同じ位置での計画と なったため、児童への環境変化の影響を少な
 くするため、はじめに必要最小限の仮設校舎を建設し、その後新校舎を2期に分けて工事を行いまし
 た。また、1期校舎側に給食室・普通教室・階段・EV・WC・屋上プール等、主要な機能を集約するこ
 とにより、少しでも早く児童が新校舎で生活ができる計画としました。

■ 建設スケジュール
  平成25年度 仮設校舎建設
  平成26年度 既存校舎耐震補強・大規模な改修
        1期校舎・プール解体 1期校舎着工
  平成27年度 1期校舎(屋上プール)竣工
        2期校舎解体 2期校舎着工
  平成28年度 2期校舎竣工
  平成29年度 仮設校舎解体 グラウンド整備


■ 配置計画
  限られた敷地を有効利用するために、プールは屋上に計画し不足していた駐車場を確保しました。
  児童の通学路は敷地南側と北側に二分していたため、建物の中央にピロティ形式の昇降口を配置
 し、スムーズな動線計画としています。また、このピロティに面して、ひまわりクラブの玄関を計画
 することにより、雨に濡れることなく児童が移動できます。

         南側外観         昇降口         屋上プール

■ 平面計画
  1階は昇降口を中心に多目的室・ボランティア室・ 職員室が有機的につながる計画としています。
  普通教室は2・3階に配置し、学年ごとにまとまり のあるブロック構成としています。また、各階
 に普通 教室と同じ広さの多目的室を配置することにより、少人数学習や普通教室では行いにくい音
 の出る授業が可能です。また、児童数増による普通教室増にも対応できる計画としています。児童の
 安全対策として、どこからでも2方向避難が確実に確保できる計画です。そして、学校開放時には段階
 的に開放エリアが管理でき、その際も2方向避難の確保が可能となっています。

■ 地域の宝
  解体された校舎は六角形と八角形で教室を構成しており、その形状から「はちの巣校舎」と呼ばれ
 地域の方々や卒業生に愛されていました。
  新校舎では、その形状を建物の一部やサインに継承 することにより、いつまでも忘れることな
 く、「二代目はちの巣校舎」として愛着を持ってもらえるように心掛けました。また、中庭の仕上げ
 をゴムチップ舗装とし、平成21年に取り壊された相撲の土俵をイメージしたデザインとしています。
 晴れた日には子供たちが相撲を取っている姿が見られます。



          土俵をイメージした中庭     解体された「はちの巣校舎」

             普通教室              図書室

              「二代目はちの巣校舎」      サイン




■ 建築概要
 ・建設場所  新潟市東区中山4丁目
 ・用途地域  第一種・二種中高層住居専用地域
 ・防火指定  指定無し 法22条区域
 ・敷地面積  16,861.85㎡
 ・建築面積  3,559.40㎡(改築部分1,867.56㎡)
 ・延床面積  7,478.39㎡(改築部分4,645.48㎡)
 ・規模構造  RC造 地上4階建
 ・主要外部仕上
   屋 根  塩ビシート防水
   外 壁  複層仕上塗材E
   開口部  アルミサッシ(複層ガラス)
   プール  FRP25m×6コース(屋上に設置)
 ・主要内部仕上
    床   複合フローリング、ビニル床シート
    壁   GB-R+EP-G(腰:シナ合板)
   天 井  教室DR(直貼) 廊下GB-D
 ・電気設備
   受電方式 高圧受変電方式
   防災設備 非常放送 自動火災報知機
 ・空調設備
   冷暖房方式 GHP
 ・衛生設備
   給水方式  受水槽+加圧ポンプ
   排水方式  公共下水道
   消火設備  屋内消火栓設備
   ガス設備  都市ガス

■ 設計・監理
  意匠  ㈱堤建築設計事務所 ㈱鈴木設計企画 佐野建築設計事務所
  構造  ㈱建構造研究所
  電気  涌井電気設備設計室
  機械  ㈲オヤマツ設計事務所