作品紹介-47 「新潟市立木戸小学校」
㈱堤建築設計事務所
■ 設計趣旨
木戸小学校の校舎は築後39~46年経過しており、老朽化が著しく耐震性も確保されていないことか
ら、校舎の一部改築と耐震補強を伴う大規模な改修を行う事により、教育環境の充実、災害時の避難
場所としての機能の改善及び地域に開かれた施設を目指し、設計を行いました。
■ 計画概要
新校舎の位置は既存校舎とほぼ同じ位置での計画と なったため、児童への環境変化の影響を少な
くするため、はじめに必要最小限の仮設校舎を建設し、その後新校舎を2期に分けて工事を行いまし
た。また、1期校舎側に給食室・普通教室・階段・EV・WC・屋上プール等、主要な機能を集約するこ
とにより、少しでも早く児童が新校舎で生活ができる計画としました。
■ 建設スケジュール
平成25年度 仮設校舎建設
平成26年度 既存校舎耐震補強・大規模な改修
1期校舎・プール解体 1期校舎着工
平成27年度 1期校舎(屋上プール)竣工
2期校舎解体 2期校舎着工
平成28年度 2期校舎竣工
平成29年度 仮設校舎解体 グラウンド整備
■ 配置計画
限られた敷地を有効利用するために、プールは屋上に計画し不足していた駐車場を確保しました。
児童の通学路は敷地南側と北側に二分していたため、建物の中央にピロティ形式の昇降口を配置
し、スムーズな動線計画としています。また、このピロティに面して、ひまわりクラブの玄関を計画
することにより、雨に濡れることなく児童が移動できます。
南側外観 昇降口 屋上プール
■ 平面計画
1階は昇降口を中心に多目的室・ボランティア室・ 職員室が有機的につながる計画としています。
普通教室は2・3階に配置し、学年ごとにまとまり のあるブロック構成としています。また、各階
に普通 教室と同じ広さの多目的室を配置することにより、少人数学習や普通教室では行いにくい音
の出る授業が可能です。また、児童数増による普通教室増にも対応できる計画としています。児童の
安全対策として、どこからでも2方向避難が確実に確保できる計画です。そして、学校開放時には段階
的に開放エリアが管理でき、その際も2方向避難の確保が可能となっています。
■ 地域の宝
解体された校舎は六角形と八角形で教室を構成しており、その形状から「はちの巣校舎」と呼ばれ
地域の方々や卒業生に愛されていました。
新校舎では、その形状を建物の一部やサインに継承 することにより、いつまでも忘れることな
く、「二代目はちの巣校舎」として愛着を持ってもらえるように心掛けました。また、中庭の仕上げ
をゴムチップ舗装とし、平成21年に取り壊された相撲の土俵をイメージしたデザインとしています。
晴れた日には子供たちが相撲を取っている姿が見られます。
土俵をイメージした中庭 解体された「はちの巣校舎」
普通教室 図書室
「二代目はちの巣校舎」 サイン
■ 建築概要
・建設場所 新潟市東区中山4丁目
・用途地域 第一種・二種中高層住居専用地域
・防火指定 指定無し 法22条区域
・敷地面積 16,861.85㎡
・建築面積 3,559.40㎡(改築部分1,867.56㎡)
・延床面積 7,478.39㎡(改築部分4,645.48㎡)
・規模構造 RC造 地上4階建
・主要外部仕上
屋 根 塩ビシート防水
外 壁 複層仕上塗材E
開口部 アルミサッシ(複層ガラス)
プール FRP25m×6コース(屋上に設置)
・主要内部仕上
床 複合フローリング、ビニル床シート
壁 GB-R+EP-G(腰:シナ合板)
天 井 教室DR(直貼) 廊下GB-D
・電気設備
受電方式 高圧受変電方式
防災設備 非常放送 自動火災報知機
・空調設備
冷暖房方式 GHP
・衛生設備
給水方式 受水槽+加圧ポンプ
排水方式 公共下水道
消火設備 屋内消火栓設備
ガス設備 都市ガス
■ 設計・監理
意匠 ㈱堤建築設計事務所 ㈱鈴木設計企画 佐野建築設計事務所
構造 ㈱建構造研究所
電気 涌井電気設備設計室
機械 ㈲オヤマツ設計事務所