趣味のひろば-29

(有)石動建築設計事務所 石動竹治


趣味→職業→ライフスタイルについての考察
 よく人様に「趣味は何ですか?」と訊ねられる事が有りますが、いつも返答に困ります。好きな事、やって来た事、やりたい事、興味の有る事が有り過ぎるのです。唯、残念ながらこれからは長い月日の掛かる事は出来ない年齢に成って来て、おのずから趣味の範囲は狭まって来たのが現実ですが。
趣味と職業そしてライフスタイルとは微妙な関係ですよね。

今迄やって来た趣味
*読書(家に居る限り1日2時間以上は本を読んでいます)
*映画鑑賞(邦画は滅多に観ません)
*スポ−ツ(大抵の事は人並み以上でした)
*動物の飼育(小魚・小鳥・軍鶏・錦鯉・日本犬etc)
*植物の栽培(草花・庭木・山野草・雑木)
*料理(主に酒の肴)
*ぐい飲み器収集
*その他(山歩き・狼の研究etc)
☆ 上記の事には大抵一家言持って居ます

現実に行っている最近の趣味
ゴルフ・読書・映画鑑賞・植裁・飲み会(趣味か?)・料理(酒の肴)
カラオケ(がなるだけ)

事情が許せば実行したい趣味
*日本犬(四国犬・柴犬)の飼育
(家庭の事情で今は飼えないが四国犬と柴犬を一頭ずつ飼いたい)
*淡水熱帯魚の飼育
(大きい水槽に水草を沢山植えて小さい魚を数多く入れてボ−と観ていたい)

3通りに分けられる趣味の分野
 大ざっぱに分けると趣味には文化系、理工系、体育系の3通りの趣味が有ると思います。殆どの人はその比率を別にして全ての趣味を持っています。
○ 機械をいじる、物を組み立てる、そして化学するという〈理工系の趣味〉、
○ 森羅万象の自然の原理に興味を持つ〈文化系の趣味〉
○ 身体を駆使する〈体育系の趣味〉
私には読んで頂ければお分かりの様に理工系の趣味が1つも有りません。
どうしてかを考えて見ました。

生い立ち・環境
 私は西湊町2丁目で生まれました。父の戦死がはっきりして小学校に上がる年に当時の新津市、今の秋葉区新津の父の実家へ引っ越しました。父が結婚をして直ぐに召集されたために当然私は一人っ子でした。
 引っ越した場所は街の中なのですが商店街の裏手で、小学校と新津総鎮守の掘出神社の直ぐそばで田圃も小川も近く、子供には遊び場に事欠かない、もってこいの場所でした。大抵の子供がそうだった様に、小学校時代は毎日の様に神社の境内で3角ベ−スの野球や相撲、チャンバラ等をしたり、小川で小魚やザリガニを捕ったり、トンボを追ったり、冬は氷の張った田圃でスケ−トをしたり、又歩いて20分程の処に有る秋葉山へ探検に行ったり・スキ−に行ったり、本当に楽しい地域でした。天気の良い日は毎日暗く成る迄本当に良く遊びました。
 ただ遊び相手の居ない日や雨の日は困りました。母が働いていましたし1人っ子でしたので遊び相手はいつも身近にいる小動物、金魚・ふな・メダカ・蛙そしてひよこ・野良犬等でした。それから草花や木々でした。色々な大人の本も手当たり次第に読みあさりました。鏡に向かってチャンバラや1人ピンポンをしたり、絵を描いたりしていました。
 父親も兄弟も居ないせいか、母親本人に興味が無くて買って貰えなかったせいか、当時、男の子の間で流行っていた鉱石ラジオの組立やラジコンやその他の模型の製作等は全くと言って良い位やった事は有りませんでした。
そんな環境が私の趣味の分野を決定づけたのだろうと思います。

文化系趣味と理科系DNAとのギャップ
 事毎左様に環境もそれに伴った趣味も自然に文化系の趣味を持つ人間に成る下地が出来上がって行った様です。学校の成績もそんな感じで大学受験の時も悩みました。先生も親達もお金の掛からない地元の大学の人文学部へ行けと進めて呉れましたが、趣味や成績とは別にどういう訳か(DNAが騒いでくれて)建築という、分野で分ければ理工系を選択し建築設計の道を生涯の生業としてしまいました。
 勿論DNAに間違いが有ろう筈も無く建築設計は大好きで天性の生業と思って居ります。たまたま建築の設計は文化系のセンスも必要なので結果としては子供の時の環境そして趣味が役に立ったと自分では思っています。

先天的なDNAと後天的な環境
 大ざっぱに分けると人間には文化系、理工系の2通りの性格が有ると思いますが、ではその性格はいつ形成されるのでしょう?そして本人はいつそれを自覚するのでしょう?さらにそれがライフスタイルとどういう因縁を持つのでしょう? DNA等の先天的なものなのか、育った環境による後天的なものなのか、私の場合は振り返ってみるとどうも先天的なもの、「血」がそうさせた様な気が致します。父は技術屋、育ててくれた叔父も技術屋でした。意識しないままに自然に先天的な「血」が赴くままに本当に自分に合ったライフスタイルを、選択し充実をした一生を送らせてくれて居るのだろうと「血=DNA」に感謝して居ります。

思考回路の変換のすすめ
 先天的な血が赴くままに本当に自分に合ったライフスタイルを選択し、充実した一生を送る人は勿論大多数でしょうが、後天的な要素や外圧で自分でも「此の道より我を生かす道無し、我此の道を往く」、と頑固に思い込んでしまい、そのライフスタイル・生業を一生続ける人も少なくないと思います。
現状の生活に何となく違和感や物足りなさを覚えたら文化系の人は理工系に、理工系は文化系に思考回路のシフトを変換してみたらどんなものでしょうか?きっと思いがけない発見が有り、面白い人生が待っているかも知れません。

地球に優しい趣味を持つ
 趣味の話が少し違った方に行ってしまいました。百人百葉、人間は色々な人が居て1人1人がそれぞれの人生を生きています。人間にかかわらず、生きとし生きるものすべてに各々の一生が有ります。趣味も場合に依っては森羅万象の原理に逆らう危険も無いとは言えません。そうでなくとも我々建築家は、原罪を犯して生業を立てて居ます。十二分に環境に配慮をして趣味を楽しもうと思って居ります。

終わりに
 趣味の自慢をしないで何か趣味に関する事を書こうと思ったら、自分でも何だか分からない文章に成ってしまいました。申し訳有りません、終わります。