作品紹介-45 「亀田地区コミュニティセンター」
㈱渋谷建築設計事務所
■ 設計趣旨
亀田地区コミュニティセンターは、亀田地区におけるコミュニティ活動の拠点となる施設です。基
本理念「気軽に集えるみんなのコミュニティセンター」などが示された基本構想に基づくプロポーザ
ルで選ばれ、設計することとなりました。
■ 計画概要
・建て替え計画
敷地は旧亀田町役場および隣接する市施設の跡地でした。旧役場をはじめとする5棟の既存建物があ
り、これらを解体し、敷地造成と道路整備を行い、コミュニティセンターを建設するものでした。
建設する建物内には、会議室、多目的ホール、和室、調理実習室、音楽研修室などの設置を計画し
ました。
敷地には3m程度の高低差があったため、斜路や排水にレベル計画に配慮が必要で、土木的なことや
道路整備などの都市計画的な要素を含む設計でした。
その他、敷地に至る道路が狭小なため、建物本体を鉄骨にし、杭も小径の鋼管杭を用いることなど、この地ならではの対応が必要となりました。
また基本設計時にワークショップを何度も行い、プロポ当初案を大きく修正した建物となりました。
<スケジュール>
①基本設計(平成24年7月~平成25年2月)
②実施設計(平成25年5月~平成26年2月)
③既存建物解体1期(外壁アスベスト除去)工事(平成26年1月~平成26年3月)
②既存建物解体2期工事(平成26年4月~平成26年7月)
③建物本体建設工事(平成26年7月~平成27年3月)
④外構整備工事(平成26年12月~平成27年3月)
・配置計画
敷地北側に建物を設置し、西側・南側に駐車場を配置しました。車の見通しを考慮して、アプロ-
チは北側道路の凹部からとしました。北側のゆるいカ-ブの道路は既存より幅員を広げ、並木のある
遊歩道としました。道路の北西部分にポケットパ-クを設け、新設建物の内部を見て取ることができ
るようにしました。
駐車場は、混雑時には2方向で道路とつながるようにしました。緊急時などには、南側の亀田小学校
の駐車場にも出入りできるようにしています。敷地の西側では、既存の高木がある緑地を残し、季節
風や西日への対策の一つとしています。
・平面計画
建物西側の風除室から入ると吹抜けの交流ホ―ルがあります。交流ホ-ルには、事務室や階段が面
しています。また、建物西側の駐車場と一体的なイベント使用もできるように考えています。交流ホ
-ルからは中廊下状のホワイエを通り各会議室へ通じています。
風除室 ホワイエ
交流ホール1 交流ホール2
ホワイエは、4mの幅を確保したスペ-スで、会議室からの人の出入りの混雑を解消することや、
ギャラリ-展示空間としても利用できるようにしています。建物内部のため、光庭や、ハイサイドラ
イトによる採光を設けています。
1階には、多人数使用の多目的ホ-ルや災害時の炊き出しや防災拠点としても使用を考慮した調理実
習室や防災倉庫付会議室、和室を配置しました。和室はお茶会利用や、子育てサ-クルの利用も考え
ています。
2階には、防音に配慮した音楽研修室や、社交ダンスができるフロ-リングの会議室などを設けまし
た。
また、光庭の軸線上には、この地に昔からある松の木を臨むことができるよう計画しました。
■ 建築概要
・建設場所 新潟市江南区亀田新明町1丁目地内
・用途地域 第一種住居地域
・防火指定 指定なし 法22条地域
・敷地面積 3,639.21 ㎡
・建築面積 965.64 ㎡
・延べ面積 1,599.64 ㎡
・構造規模 S造 2階建て
・主要外部仕上げ
屋 根 塩ビシート防水S-M2非歩行
外 壁 耐候性塗料塗
開口部 アルミサッシ、low-et5+t5
・主要内部仕上げ
床 ビニル床シートt2.0、複合フローリングt14直張り
壁 GB-Ft15+GB-Ft15 EP-G
天 井 RW-Bt12.5直張り
・電気設備
受電方式 高圧受変電方式
防災設備 非常照明 非常放送 自動火災報知設備
・空調設備
冷暖房方式 GHP
・衛生設備
給水方式 直接給水
排水方式 公共下水道
消火設備 パッケージ型消火設備
ガス設備 都市ガス
■ 設計・監理
意匠 ㈱渋谷建築設計事務所
㈲丸山建築設計事務所
構造 ㈱NSK建築構造研究所
電気 涌井電気設備設計室
機械 涌井電気設備設計室