翔アトリエ

　寺山公園は隣接するスポーツセンターと連携して、多様なリクリエーションの場となると同時に子育てや他世代の交流の拠点となる公園です。公園は芝生に覆われたひろばを中心に大型複合遊具や散策路、駐車場が配置され、中心に子育て交流施設と休息施設からなる複合施設があります。

　施設内の子育て交流施設『い～てらす』は、「遊ぶ」「つながる」「楽しむ」を基本理念とした育児支援・子育て世代の交流空間と、地域の世代間交流の推進を目的として計画された公園の休息空間で構成されています。

　外観は３つの高さの異なる直方体が４５度の相でかみ合うような形態を、曲線の庇で繋ぐ構成をしています。それぞれの直方体の内部空間の天井高さは、約５ｍ、４ｍ、３ｍとなっています。外観は、高性能GWt＝100＋フェノールフォームt＝30外断熱にGL鋼板T＝0.4の立平葺仕上/屋根は外断熱PFt＝50＋ウレタンフォームt＝30(内部)にシート防水/軒天や開口部・独立柱周りに杉材を多用しています。開口部は住宅用の樹脂＋アルミの複合サッシにLow－Eペアガラスを用い、外皮性能の省エネ化に努めています。

　内部は、３つの直方体の中にそれぞれ、「休憩・飲食ゾーン」「幼児ひろば」「低学年ひろば」と名付けた主空間があり、杉材のルーバー/羽目板/横格子などの形状に加工利用し、「内装の木質化」を図っています。内部のS柱(200～250角)はクッション材を地下にした床用カラー長尺シートとしています。低学年ひろばの大型遊具は、構造集成材120角の軸組を面材で補強し、本体構造と分離したオリジナル遊具です。ボルタリング/ネットクライミング/迷路/滑り台などが合体した遊具です。

　幸いにも、この施設を含む公園事業が、この秋に「国土交通大臣賞」を受賞でき、市の皆さんや設計・工事の皆さんが一堂に会し、楽しい時間を過ごすことができました。

　　　
　　　幼児ひろば　　　　　　　　　　　　　　　　低学年ひろば　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　南：外観　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　東：外観

　　■　設計・工事期間
　　　・2014年10月～’15年3月：設計者選定プロポ/基本設計
　　　・2015年度：実施設計
　　　・2016年10月から2017年10月：工事
　　　・2018年：4月開園
　　■　設計担当事務所（新潟市建築設計協同組合）
　　　・総合/意匠：翔アトリエ
　　　・構造：㈱建構造研究所
　　　・設備：㈲オヤマツ設計事務所
　　　・公園：㈱グリーンシグマ
　　■　設計担当会社
　　　・建築：㈱廣瀬/空調換気：研冷工業㈱
　　　・電気：㈱荻荘電機/衛生設備：エアプラック㈱

　　　
　　　休憩・飲食ゾーンテラス　　　　　　　　　　　　　

　　 ■　建築概要
　　　・建設場所：新潟市東区寺山1653
　　　・用途地区：指定なし/22条地域
　　　・主要用途：児童福祉施設
　　　・構造：2階建
　　　・建物種別：準耐火構造(ロ_2)
　　　・敷地面積：45,553.64㎡
　　　・建築面積：1,560.50㎡
　　　・延床面積：1,357.79㎡（1F：1,331.73／2F：26.06㎡）
　　　・最高高さ：7,114ｍ