作品紹介-38 「史跡古津八幡山遺跡ガイダンス施設

㈱GA設計



□設 計 趣 旨
新津丘陵北西部に所在する八幡山一帯には旧石器、縄文、弥生時代の集落遺跡遺物散布地、古代・中世の生産遺跡が存在する。
各時代に渡るこれ等の遺跡の学習と案内のためのガイダンス施設の建設を目的とする施設は次の機能が予定された。
   史跡古津八幡山遺跡の説明をするためのガイダンス機能
   原始古代の生活体験等をするための体験学習機能
   市民参加の遺跡活用のための拠点機能
近くには新潟県埋蔵文化財センターが所在するが、建施設は県内全域の遺跡の拠点となっており、協力体制をとりつつも本施設は古津八幡山のためのガイダンス施設として計画された。


□設 計 趣 旨
新津丘陵北西部に所在する八幡山一帯には旧石器、縄文、弥生時代の集落遺跡遺物散布地、古代・中世の生産遺跡が存在する。

各時代に渡るこれ等の遺跡の学習と案内のためのガイダンス施設の建設を目的とする施設は次の機能が予定された。

   史跡古津八幡山遺跡の説明をするためのガイダンス機能

   原始古代の生活体験等をするための体験学習機能

   市民参加の遺跡活用のための拠点機能

近くには新潟県埋蔵文化財センターが所在するが、建施設は県内全域の遺跡の拠点となっており、協力体制をとりつつも本施設は古津八幡山のためのガイダンス施設として計画された。



□設 計 概 要
 建設地         新潟市秋葉区古津地内
 地域・地区指定    市街化調整区域
 防火指定        無し
 建蔽率         60%
 容積率         200%
 その他         都市計画公園内
 主要用途       博物館
 構造、規模      RC造 平屋建て 429.93㎡
 上水道         有
 公共下水道      処理区域内
 都市ガス        供給区域内

建設地は新潟市秋葉区古津地内の「花と遺跡のふるさと公園」内に所在する。
周辺一帯は都市計画公園に指定されており、丘陵地帯と新潟県埋蔵文化財センター、新潟市新津美術館、新潟県立植物園棟が立地する環境良好な公園地内である。
建設地は新潟市新津美術館に隣接し、敷地の一部は丘陵地帯となっており、史跡のある八幡山山頂が遠望できる。
設計に当たってはこの丘陵地の改造と建物から八幡山山頂への眺望を確保することが求められた。又敷地は公園利用者の為の駐車場の一角を占めている。
建設地と八幡山山頂付近の遺跡との間にはガイダンス施設からの来訪者のための園路が別途計画されていた。




□配 置 計 画
丘陵と美術館に挟まれた丘陵地の一部を切り取った平坦な敷地にRC造平屋建の建物を配置する。
建物は展示室ブロックを丘陵地に垂直な軸線に対応して配置し、体験学習室、事務室、玄関、トイレ等のブロックを隣接美術館に平行な軸線に沿って配置した。
八幡山に至る園路、美術館からの通路と合流するところに小さな広場を設け、付近にガイダンス施設の玄関を設けた。
園路は建物南側に設け、駐車場内にあった花壇を撤去した後に発生した枕木を再利用して敷き込み、八幡山に至る園路に接続した。
園路に沿って丘陵地から流れ出る湧水の水路を設け、水路に沿って超近代的デザインの美術館との間に緩衝帯としての植樹を行った。
丘陵を切り取った建物東側には古代の生活を体験でいる「体験学習場」を配置した。
周囲からの視線が及ばない建物と、丘陵地の間はメンテナンス空間とし、ここにGHPの空調室外機を配置した。



□平 面 計 画
史跡「八幡山遺跡」保存整備基本設計説明書(平成17年度)新潟市に下記事項が提示され、これ等の機能を実現する施設になるよう計画した。
  石器時代から古墳時代までの遺跡が残る八幡山遺跡の総体を理解できる展示施設
  ガイダンス施設の来訪者がスムーズに八幡山へ至る動線を確保
  八幡山山頂を望める空間を設ける
  原始古代の生活体験等をするための体験学習機能
  市民参加の遺跡活用のための拠点機能
 さらに各諸室には次の機能が求められた。
  小規模施設であることから、玄関ホール~体験学習室を一体的に利用できる空間
  体験学習室は生徒1クラス、屋外体験学習場生徒1クラス計2クラス程度の空間を確
  保
  体験学習室前の屋外体験学習場は屋根を備えた屋外施設とする
  多目的トイレは車椅子、オストメート障害者対応機能を持たせ、ベビーシートも
  設置
  ホールに冷水器コーナーを設置する
  事務室からはホール、体験学習室の活動が見透せる空間構成とする
 建物内外にわたってユニバーサルデザインを考慮する


□仕 上 計 画
 (外部仕上)
 外壁はRC打放しと、部分的に八幡山杉板張り、杉格子を使用した。
 杉材はこの工事用に地元八幡山に手前年秋に伐採していたものを使用した。
 屋根は勾配屋根とし、RC下地カラーG鋼板立はぜ葺きとした。これは八幡山から見下
 ろされる景観を配慮し、RC造フラット屋根の無機質感を避けるためのものである。
 (内部仕上)
 床は事務室、WC、倉庫を除き全館合板フローリング張り。
 壁はPB下地EP塗りをベースに一部八幡山杉板張り。
 天井は岩綿吸音板EP吹付(展示室)とし、他は化粧石膏吸音板とした。
 なお、展示室内の設計は他の専門業者によって計画された。


□設計チーム
チーフ・意匠   ㈱GA設計
意  匠      U・建築計画工房
構  造      松田建築設計事務所
電気設備     SA設備設計室
機械設備     ㈲小菅設備設計