作品紹介-37 「白根北児童館建設工事」
(㈱)鸞建築事務所
□設計要旨
白根児童館は、地域の児童に健全な遊び場を提供し、健康の増進と情操を豊かにすることを目的とした児童福祉施設です。児童の放課後対策と保護者が安心して働ける環境づくりや育児支援を行うことで児童館と地域との結びつきがより強化される施設を目指した。
□建築概要
工事場所 新潟市南区鷲ノ木新田5401-1他
用途地域 第1種低層住宅専用地域
地域・地区 都市計画区域内
防火地域 22条地域
主要用途 児童館
建物の構造 木造平屋建て
敷地面積 2,895.11㎡
延床面積 378.84㎡
(内訳) 児童館:330.00㎡/その他:48.84㎡
建築面積 424.20㎡
(内訳) 児童館374.86㎡/その他:49.34㎡
電気設備 受電方式/低圧受電方式
防災設備 消火/消火器 防火/自動火災報知機
排煙/自然排煙 避難/誘導灯
空調設備 温水床暖房 EHP(個別方式)
熱源/灯油、電気
給排水衛生 給水/市水直結
給水/灯油給湯器
排水/直接放流(雨水/汚水分流)
□配置計画
配置計画は、前面道路(幅員8.0m)に面した敷地2,895㎡余りの造成地。北側寄りに計画建物を低層棟と高層棟が少し雁行させ主要室が南側に面するように配慮した直線型プランとした。
アプローチの設定には、身障者対応の徒歩エリアと駐車場ゾーンの動線を区分した安全で利用しやすい計画とした。道路面より70㎝高を想定した造成地に緩やかな歩車道分離型のスロープと植栽緩衝地帯を設け、広めのアプローチ内には、身障者駐車スペースと駐輪場を設ける。
車の送迎スペースとして利用できる広場空間となっている。敷地東側に農園を設けた。敷地南側コーナーに、3オン3コート15m×14m(210㎡)とフェンスエリア18m×18.5m(333㎡)を設置した。
屋外遊技場・多目的スペースは、関係者の要望でクレーコート仕上げで造成した。
外周整備工事は、土留め擁壁添いに高さ1.2m程度のメッシュフェンスを、3オン3コートエリアには高さ6mのネットフェンスを設けた。
計画建物北側エリアには、設備機器設置スペース及びサービスエリアとして利用した。
□平面計画
建物の内外部を可能な限り有機的な繋がりを持たせること、敷地内の全てが児童の遊びを通して学び、体験できる環境作りと地域の気候、風土に配慮したプランで計画した。
学校や家庭に無い独自の魅力を持つ建物、児童たちに親しみとやさしさ、楽しさを感じさせる空間作り。仕上げ材は、自然で素朴な材料を取り入れ遊戯室等の遊びの空間にはハードな遊びに耐えられる木材を床や壁に採用した。
心身に障害を持つ児童が安全でやさしく利用できる施設であること。
建物のすべてが児童の目線にも配慮されたプランであること、さらに建物の管理運営にも配慮した建物を提案した。
□構造設計
ボーリング柱状図から基礎構造の選定は、深度15m前後の細砂層30≦Nの支持層にPHC杭プレボーリング拡大根固工法(杭実長16m)支持杭を選定し、地中梁・布基礎工法、床下はピット部分も含め構造スラブ工法で構築して軟弱地盤に対応した。
建物の低層棟は木造従来軸組工法、遊戯室のある高層棟は、カラ松大断面集成材を使用した木造ラーメン構造で構築した。
屋根形状は切妻屋根(勾配4/10)でガルバリウムカラー鋼板たて平葺き(嵌合式)とし、落雪対応にも配慮した軽い屋根工法を選択した。
□設計チーム
チーフ・意匠:㈱鸞建築事務所
構 造 :㈱小沢設計
㈱鸞建築事務所
電気・機械 :㈲総合設備設計